★★★Video Review★★★ ビデオで見た映画の感想。 |
「シッピングニュース」 大好きなラッセハルストレム監督作品。っていっても、まだ3本目。この監督の好きなところは、生きることに少し引け目を感じている主人公がある人との出会いでちょっと外に目を向けたり、外に出て行こうと前向きになったりするとこかなあ。ひくぐらいブルーになる事件とかも多いんだけどね。 「風花」 相米慎二監督&小泉今日子&浅野忠信。北海道の実家に子供を預けたまんま、ずっと家に帰ってないきょんきょんに、万引きで捕まって文部省をクビになった浅野忠信が付き合って、実家目指して旅をする二人の話。浅野忠信、いや〜なインテリの役がすんごい似合ってました。それぞれがそれぞれの傷を抱えて、遠く寒い北海道を旅します。ずーっと同じところをぐるぐる回ってくすぶっていた二人ですが、ある事件をきっかけにちょっとだけ前に進むところで物語は終わり。 「青の炎」 和製ジェームスディーンとか言われてしまった二宮和成主演、蜷川幸雄監督の映画。ベストセラー小説の映画化ってことで、用心してる人、多いかもしれないけれど、素晴らしい映画でした。ジェームスディーンかどうかは別にして、ニノが素晴らしいの。「かつてこんなに切ない殺人者がいただろうか???」って、ほんっとに。切なくて、愛にあふれてて、優しくて。大人顔負けの大きさを感じました。17歳といえば、ちょっとすれてて、家族なんてうっとおしいってお年頃でしょう???なのに、ニノはお母さんとかわいい妹(鈴木杏ちゃん!!!)を守ろうと必死になって、やがて殺人まで犯してしまうんですねえ。それがね、なんとも切ないのだけど、たくましい。杏ちゃんとのじゃれあいもかあいらしいのです。 「玩具修理者」 幻想的な映画だった。森にこ壊れたおもちゃを元通りに直してくれる「玩具修理者」が住んでいました。ある日、主人公の女の子は小さな弟を坂から落としちゃって死なせてしまったの。で、女の子は弟の修理を「修理者」に頼むことにするんだけど、「玩具修理者」は頼まれたようにしか修理をしてくれないし、いろんなおもちゃを一気に修理するから、部品を取り違えちゃったりして。結局、弟には「心」が備わっているんだろうか??????って大人になった主人公は心配するの。 「TRICK 劇場版」 堤幸彦監督作品。TRICK、ドラマは全然見てなかったんだけど、友達が結構オススメ。って言ってたので、見てみた。この映画、「ダイイングメッセージ」とか、仲間ゆきえと阿部ひろしの暗号のやりとりとか考えんの、大変だったろうなあ。と感慨深くなった。「トリック」と「ユーモア」の映画、ね。笑えた。 「OUT」 数年前に夢中になって見てたドラマの映画版。桐野夏生さん原作の直木賞受賞作品。原作は読んだことないけど、ドラマはすんごいおもしろかった。お弁当工場で働く主婦たちが、ある殺人をきっかけにそれぞれ大きく日常からそれていくの。主人公の一人がギャンブル好きの暴力夫を殺してしまって、仲間の主婦がその死体をばらばらに切り刻んで生ごみとして捨てるんだけど、それがばれたり、代わりに逮捕された人に狙われたり、死体をバラす仕事が入ったり…。主人公はそれぞれ日常の中に鬱屈としたものを抱えていて、それゆえなのか、死体を前にしてもたくましい!!日常に潜む狂気。実はこんなもんなのかと思ったり。 「目下の恋人」 見て改めて思った。辻仁成って、苦手…。あの、「常人にはわかるまい」的な思想。エキセントリックな生き方、考え方、その美学。わかんないんだよね。登場人物、人間くささに欠けるし…。「目下の恋人」っていう感覚も、新しい価値観をひけらかされている感じが、鼻につく。って、かなり穿った見方なんだと思うんだけどね。萩原聖人、好きなんだけど、DJで井川遥に焦がれられる役って、ちょっとリアリティない。「GO」の警官みたいな、さえない役が似合うと思うんだけどなあ。救いは、萩原聖人のおじいちゃん・おばあちゃんが、お互いのことを理解しあいながら、歳を重ねてきたんだなあ。と実感できるところと、最後に井川遥がちゃんと二人のうちのどちらかを選択するところ。なんか、「やっぱりひとりで生きていくわ」なんていうまどろっこしい結末じゃなくてよかった。 「回路」 黒沢清。「CURE」を見たときに、あまりにも視聴後感がすっきりしなかったため、リベンジのつもりで借りてみました。でも…やっぱり、モチーフ自体、わかりにくい。これはもう諦めるしかない!!ってことで、忘れることにします…。誰か、わかりやすく説明して欲しい…。 「ユージュアル サスペクツ」 なにげに、名作で見てないものが多いので、まとめて借りて見ることにしました。時間をおって描かれていく事実(ま、あとで作り話ってことがわかるんだけど)を整理しながら見ていって、最後、畳み掛けるように解決編へ!!そしてそれは、あのイントロの映像とシンクロしてくるんだけど、「そういうこと〜???」って、びっくり。ケビンスペイシーにすっかりだまされました!!逃げ切るところで、爽快感が。刑事もなかなかやるやつだったし、見ごたえありました。 「ブラッド シンプル」 ある事件が起きるとき、そこには加害者と被害者の関係性だけではなくて、事件を取り巻く様々な環境や状況が存在する。それが複雑に絡み合って、登場する人それぞれが意図しないところで更に状況が変化していって、自分の窺い知らないところで実は事件が違う方向に転がっていたりする。それがコーエン兄弟作品のいいところ。それでも物語が破綻しないのは、お二人の力量かなあ、すばらしい。本作では、男衆がそれぞれの思惑を抱いて事件に絡んでくるところがおもしろい。でも、最終的に物語を決着させるのが、フランシスマクドーマンドってとこも好きなんだよな。 「L.A. コンフィデンシャル」 こちらも今更な感じの作品。キムベイシンガーの美しさにうっとりしたり、ケヴィンスペイシーとラッセルクロウ、しばらく見分けつかなかったりと、内容以外でもなかなか楽しめる。でもやっぱり最大の魅力は、3人の刑事だよなあ。この3人は、ま、誰が誰と組むってわけでもなく、立場も違えば、キャラも違うし、互いに憎しみあっていたりもするし…。で、事件に対してそれぞれの立場から、それぞれの接し方をするんだけど、それがある一点に向けて集結してくる感覚は、この映画のヤマかしら。真犯人を陥れるときの罠には、ちょっと鳥肌もんかも。 「ソードフィッシュ」 こちらも今更な感じ…。これもね、空港でつかまるハッカーとヒュージャックマン似てて、間違える〜。でも、ヒュージャックマンかっこいいし、ハルベリー美しい!!ジョントラボルタの愛国思想?テロ憎悪?はモチーフとして???????なところもあるけど、ひたすらスマートな役には爽快感を感じた。トラボルタが自分を雇った政治家を殺してから、話はクライマックスへ。トラボルタとヒュージャックマンが対立したり、ヒュージャックマンが裏をかいて95億を別の口座に送ったり、でも実はトラボルタはそんなこと見越していたり。とんとんとんと話が展開していっておもしろかった。最後は、主役それぞれがハッピーエンドっていうのも、救いがあっていい。 「顔」 生々しい映画だった。いい年して半分引きこもりみたいに生きていた藤山直美が、はずみで妹を殺してしまってからはじまる逃亡の物語。道中、恋をしたり、犯されたり、出会った人にかわいがられたりしながら警察の手を逃れようといろんな土地を転々とするんだけど、はじめは自分の人生に何の期待もせず、希望も持たず心を閉ざして生きていたような藤山直美が、好きな人と心を通わせたり、人に感謝したりと、前向きに生きていくのがわかった。ある島にたどり着いて、そこで生活するんだけど、そこにも警察の手が及んで…その島から逃がすまいとする警察から泳いででも逃げようとする藤山直美。すさまじい「生」への執着。以前は外界と接点を持たないで死んでるように生きていたのに。あんなに諦めたり絶望したりして生きていたのに。人が生きるってことはもう自分では抗いがたい「性」なのかなあと思ったり。 「tokyo.sora」 劇場行ってでも見たかった映画!!東京の空の下でひとりで暮らしている女子の一員としては、同じようにひとりで暮らしている人たちの生活をちらりとのぞいて共感したり、励ましてあげたりしたいなあと思ってました。台本ないって聞いてたし、本上まなみと井川遥ってことで、なんか和みを強調した映画になっていやしないかと心配したけど、大丈夫!!素敵な映画でしたよ。生きていたって思うようにならないことなんて、そりゃあたくさんあって、しかもその鬱憤やもやもやを受け止めてくれたり、共有してくれる人もいなかったり。でも些細なことで喜べたり、また明日も頑張ろうって思えたり。日常なんてそんなことの繰り返しだけど、それでも大事に生きていこうと思った。長塚圭史と西島秀俊ラブ〜!! 「チョコレート」 あらすじだけ聞いてたときは、黒人嫌いのビリーボブの気持ちが解け出すのにすんごい時間がかかるドラマなのかと思ってました。ところが、二人は割とすぐ心を通い合わせましたね〜。偏見がなくなってからのビリーボブが、これまたばりばり黒人差別のお父さんに意見したり、近所の黒人と心を通わせたりするところがさら〜りと描かれていてよかった。前にも書いたけど、ハルベリー、美しい。いろんな意味で。芯がしっかりしているし。 「ロイヤルテネンバウムズ」 友達が2002年ベスト映画に挙げてたんで、見てみました。とにかく、それぞれのキャラに尽きるね。グゥイネスもベン・スティーラーも。あと、三兄弟の子供のころの才能も、設定がおもしろいな〜。 「FROG RIVER」 加瀬亮、いいっす。へなちょこ感。おとぼけ感。同級生に理不尽にお金要求されても、理不尽な戦い挑まれても、わけわかんないまま言いなりになってしまう、おばかな青年の役。好きな人の名前をえさに飲み屋に呼ばれては金払わされて、拾ってきた本を2万で売ってやるって言われて買っちゃって。ひとりで裸で部屋で踊ったり、変な兄弟に剣道のステップ教わったり。ぷぷぷな内容がた〜くさん。あとね、登場人物、着てる服に「ロック」とか「兄弟」とか「フツウ」とか、じぶんの特徴現す言葉がプリントされてんの〜。おもしろ〜い。DVDで見たから、おまけも楽しめました!! 「ロックンロールミシン」 行定勲監督作品。「GO」同様、エネルギッシュな若者たちのお話。ごめんなさい・・・これも加瀬亮でかなり楽しめました。 「PING PONG」 会社のイベントで当たったDVDにて、「PING PONG」再考。&やっぱ最高!!改めて見て、アクマに惚れました・・・「努力したのに何で俺じゃないんだよ!!」とか、「同情してますよ・・・」とか「とべねー鳥もいるってこった」とか「少し泣く」とか、言うこといちいちかっちぶ〜なのね。アクマってば。あと、アクマの引き際の美しさに、坊主頭の頭突きに、ラケット頭にかざす姿に注目!!映画の中でかなり重要な役でした。もう主人公の5人がそろった時点でこの映画の成功は決まってたってぐらい、みんなぴた〜りな役どころ。少年時代のペコ&スマイルまでぴったりなのね。 あたしは、決勝戦、ペコと打ち合いしているドラゴンの瞳にヒーローの姿をしたペコの姿が映るところでもう感動!!!泣きそうになった〜。てか泣いた〜!!ドラゴンにとっては苦痛でしかなかった卓球。なのに楽しそうに戦ってんの〜。んで、「また連れてきてくれ」って。あ〜、男に生まれたかったぜ〜!!でも、映画より原作読んで泣いた人の方が多いのね。特に男子。これ見るといつでも熱い夏がよみがえるね!! |
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