***映画 Review***

映画館で見た映画の感想
週に1本見るのが目標だったのにな…

「デブラ・ウィンガーを探して」

女優ロザンナアークェットが30代からの女優に「子育て」「年をとること」「仕事」などについてインタビューしたものを記録したドキュメンタリー映画。登場する女優は34人。突然引退した「デブラ・ウィンガー」を象徴にして、働き続ける女優、引退した女優に話を聞いています。
話題にのぼるのは整形の話や、40を過ぎた女優が主人公になれる映画が少ないこと、子育てと仕事の両立、などなど多岐に渡ります。ロザンナ自身も自分のキャリアや今後について悩むところがあったみたいで、丁寧に話を聞いています。印象に残っているのは、誰の発言だったか忘れちゃったんだけど、「情熱があればどんな状況でもやっていける。」みたいなことを言ってたとこ。なんか、当たり前なことなんだけど、大事だなあって。あと、エマニュエルベアール、少女みたいな人かと思ってたら結構聡明。シャロンストーン、後続の女優たちが苦労しないように、ヌードシーン撮影するときもどう見られるかっていうのを意識するんだって。頭いい人だよ、この人。ウーピーゴールドバーグ、底抜けに明るくて、辛らつ。フランシスマクドーマンド、逞しい。力強い。でもね、34人の女優よりも、あたしにはロザンナが一番輝いて見えました。生き生きとしてます。大好きな女優たちにリアルな話が聞けて、ほんとに嬉しそう。
まるで違う世界に住んでいる、ハリウッドの女優たちも、日々悩んだりしてるんだなあ。デブラウィンガーみたいに引退して暮らすのも、ロザンナのように悩みながらも女優として進んでいくのも、そこには彼女たちの考えや想いが詰まってるんだなあ。未婚のあたし。今後の生き方に参考になること、いっぱいありました。

「シェフと素顔と、おいしい時間」

シェフのジャンレノとメイクアップアーティストのジュリエットビノシュの大人の恋のお話。ストでフライト見合わせの空港で出会うジャンレノとビノシュ。ジャンレノは非常に神経質な男。一方ビノシュは奔放で、適当。暴力夫から逃げるように海外逃亡しようとしてんのに、またためらったり優柔不断です。ビノシュが携帯をトイレに落としてしまって、ジャンレノに携帯を借りるところで初めて二人は接触します。人の迷惑も顧みず携帯を借りまくって大声でわめくビノシュにしかめっ面をしながらも、暴力夫から離れる手伝いをするジャンレノ。泊まるところがないビノシュをホテルに泊めてあげるのですが、そこで価値観の違いがたくさん露呈します。男は女の香水の匂いが嫌。女は食事が顔にかかってるのに、心配もしてくれないで携帯電話にかかりっきりになっている男が嫌。ところが、女が顔に浴びたドレッシングをお風呂で洗い流して出てきたら、なんだか二人の距離は縮みます。今まで見えなかったことに目がいったりして。で、最終的に二人は心を通わせあって、ビノシュが新しく働こうと思ってた国からとんぼ帰りしてくんだけど、なんか、あたし絶対うまくいかないと思う。この二人。本質的なとこ変わってないし。って、今後の心配までしちゃったりして。
この映画の見所はひとえにジャンレノの包丁さばき&ワインの注ぎ方とジュリエットビノシュのメイク落とし後の美しさ!!!!ジャンレノ、ちょっとむさいおやじっぽい風情なんだが、ワイン注ぐ時かっこいいの。大人だわ。ジュリエットビノシュ、絶対すっぴん(ほんのり化粧)の方がかわいいの〜。ストーリーについては、特筆すべきことないなあって感じでした…。

「藍色夏恋」

台湾映画。高校生の初恋のお話。友達の恋の応援をする主人公。夜のプールで練習する男の子に話を聞いたり、ラブレターを渡したり。それが原因で、その男の子に「お前が俺を好きなんだろ???」と勘違いされてしまいます。学校の帰り道、自転車で「抜きつ抜かれつ」を繰り返し、反発しあいながらも二人はお互いの心の距離を縮めて行きます。告白したり、デートしたり。引っかかるのは「友達の好きな人を好きになってしまったこと」なのかなあ??と思いながらストーリイを追いかけていたら……。主人公の女の子には秘密があるみたい。その秘密とは…。それは見てのお楽しみなんだけど、主人公の女の子が感情を抑えられなくなって男の子にあたっちゃうとこ、けんかするシーンが素敵です。どうにもならない想いを、素直にぶつけられるほど二人の距離は近づいていて、信頼関係が出来上がっていたんだなあって、ジーンとした。結局、この二人には別れが待ってるんだけど、男の子が主人公を思う気持ちが優しくて、こういう関係っていいなあって思ってしまうんです。主人公の女の子、最初ぜんっぜんかわいくねーな。と思ってたんだけど、高校生なのに凛とした感じがだんだん好きになってきて、映画が終わるころには完全に魅了されてました。男の子も、素敵なんです。高校生なのにこの懐の深さ。あたし、こういうへなちょこっぽいんだけど、懐深い男の子って好き。しかも、台湾映画にこういうキャラ多い気がする。実はけんかシーンで泣いてしまいました。映画館で泣くことなんてあんまないのに。切なくて。主人公の女の子、強いのに、感情もてあましてんの見るのが切なくて。思わず涙。夏の恋のキラキラした感じと、思い通りにならない感情の歯がゆさが、なんとも切なく、でも、主人公の二人のおかげでさわやかに見終えることができるいい映画。恋、してないなあって方は是非!!

「jam films」

15分×7本。短いから、面白くなくても、15分たてば終わっちゃうっていうのが、いい。にしても、死神(?)だ、違う惑星だ、秘密の薬の箱だ、紙の上に現れる生き物だ、理解するのに時間かかるもの、おおかったっす…。15分しかないっつーの。んな中で、篠原監督の「けん玉」、傑作!!!これだけでも見に行く価値あります。もう、基本的に篠原監督、好き〜。篠原涼子のはすっぱなかんじもいいし、個人的には嫌いだけど、山崎まさよしのへなちょこ感もよかった〜!!そして、もっともすばらしいのは、やっぱ、話の展開!!起承転結、伏線⇒オチの構成!!すばらしい!!その上、ちょっとした幸福感も残ったりして。同監督の「洗濯機はおれにまかせろ」「木曜組曲」もおすすめ。「命」「月とキャベツ」はどうなんだろ??

「sweet sixteen」

あたしは基本的に青春なんてキラキラしてるもんだなんて思ってなくって、過剰な自意識によってもたらされる苦悩と煩悶の季節だと思っているんだけど、この物語の主人公は、頑ななまでに母への愛情を貫こうとして、傷ついたり、痛い目にあったりしてしまうんです。それでも信じるもののため多くのものを犠牲にして、目をつぶって…。ああ、若さって!!一直線であるがゆえ、痛いのよね…。裏切られてもなお期待せずにいられないまっすぐさ…。裏切られたり、傷ついたりして、少年は一歩ずつ大人の階段を登っていくんだろうなあって思う気持ちと、ああ、大人にならずにそのまままっすぐでいられたら…という感情が入り混じって、複雑。ケンローチ監督は、人の心の揺れとか描くのうまいですね。

「マイノリティ リポート」

言わずと知れたスピルバーグ&トムクルーズの強力タッグ映画。近未来、犯罪は未然に予想され、防がれる。といった設定。トムが人を殺してしまう理由と謎が2つの意味でわかってきて、スリリング。奥が深いなあと思った。あと、近未来ってことで、いろんなシステムが進化してて、すごいと思った。それ見てるだけでたのしいかも!

「ピノッキオ」

友達に誘われて、試写会に行ってきました。まず、50歳のロベルトベニー二がピノキオって設定に無理があるんだよね…。まあ、でも、わたくし勧善懲悪ものがあまり好きではないので、これだけ悪いことしても、毎度毎度許されちゃうピノキオが、小気味いいかんじもしたんだけど。それにしても、反省しないやつめ(`へ´)。いい加減気付け。って思った…。実写版メルヘンものとしては、かわいいかも…。

「アカルイミライ」

黒沢清監督ということで、警戒しすぎた。過去見た黒沢清ものは、人間の潜在意識というか、無意識下の闇(?)みたいなもを描いたくらーい、どちらかというと、救いのないお話だったから、「アカルイミライ」がそのままアカルイ話なわけがないじゃん!!と鼻息荒くして意気込んでしまった…。主人公は、日々を目的もなく生きる雄二(オダギリジョー)。彼が慕う同僚守に浅野忠信。守は真水でも生きていけるようにと育てていた「お前に似てる」くらげを雄二に託し、人殺し→刑務所→自殺。雄二は逃がしてしまったくらげが、東京の川にいると思い、えさを川に流し続ける。という話なんだけど。雄二に「待て」のサインを出しておいて、常に先回りして雄二を助けた守。その守が出した「行け」のサインに雄二はどう反応したのか、よくわかんなかった。雄二が「行く」っていうことは、何を意味しているの?あんなにくらげの飼育にこだわっていた守が、雄二のえさ装置を切ったのはなぜ?最後に雄二はどこへ行ったんだろ??くらげと一緒にこの世界の大海原へいったの??あの少年たちもくらげってこと??雄二が見ていた夢の意味は??

こんなに?が多いのは、黒沢清が描く「アカルイミライ」という映画は、「決して未来は明るくなんてないんだよ」という逆説的なメッセージングなんだ!!!!という先入観を持って映画を見てしまった私の悲劇かも…もう一回、ビデオでも出たらニュートラルな気持ちで見てみようかな…

「猟奇的な彼女」

笑った〜&泣いた〜!!!基本的に映画館で笑うことってあんまりなくて、ましてや、泣くことなんて「ありえない」って感じなのに、これは笑えた〜。泣けた〜。わたしが好きな、伏線→オチの組み立てがしっかりしているお話。「あ〜、あれってこういうことだったの??」「ここにつながるのね??」ってことがた〜くさんあった。女の子の破天荒っぷりと、男の子のへなちょこぶりの差が激しければ激しいほど笑える〜。電車でゲロってしまうシーン、笑えた。最後はまじ泣きできるよ!!是非是非見て欲しい。

「Blue」

「GO」は限りなくエネルギッシュでよかった。「ウォーターボーイズ」はとことんアホでおもしろかった。男子高校生が主人公の映画は、無邪気だったりまっすぐだったりで、すがすがしい。かわって「Blue」は女子高生のお話。モデル時代から見守ってきた市川美日子ちゃんが主演です。友達の女の子を好きになっちゃうんだけど、その思いを自分でももてあましちゃったり、うまく伝えたいのに伝えられなかったり、好きなのに傷つけるようなこと言っちゃったり。女の子は、人を好きになることに関して、早熟で、その分複雑だなあ。でもあたしは女の子だったことがあるから、この気持ちはわかるなあ。心の中はいつも期待と不安のごった煮で、もやもやもや。でも、それでもしっかりした意志をもって進む女の子を実日子ちゃんは好演しています。忙しい毎日に忙殺されている人は、あのころの気持ちを思い出せるかも。

「CUBE2」

六本木ヒルズのシネコンで鑑賞。なんかね「CUBE」自体のつくりが、近代化ってか、モダンになっててきれいだった。内容はっていうと…、4次元てわからん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!「CUBE」のときは、難しいながらも、スリルと謎解きがおもしろかったんだけど、なんか、いろんなことが謎のまま終わってしまった…。ま、スリルはあったけどね。一緒に見ていた女の子が死ぬほど怖がっちゃって、そっちのほうがおもしろかった。ひとりでトイレいけなくなっちゃったりしてんの。ぷぷぷ。どこにそんな要素があったんじゃろ???帰ってきてもっかい「CUBE」みちった。お口直しってことで。

 

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