■■■CD Review■■■

よく聴くCDたち。
邦楽ばっかね。

ACIDMAN 「LOOP」

FESではまって、8〜9月のヘビーローテーション。「ドライドアウト」「今、透明か」「リピート」はあたい、お気に入り。ACIDMANは、どっかにも書いたけど、あるシチュエーションやシーンを思い浮かべるようなっていうか、喚起させるような詞はあんまないのね。でも、曲聴いてると、生きてることの神秘とか繰り返されることの必然とか、そんなようなことが思い浮かんできて、結構真っ暗な迷路に迷い込んだような気持ちよさ。詞の中には「色」がいっぱい出てくんだけど、その色に吸い込まれてく感じがすんのね。音はひたすらグルービィだし。
サビのとこでぐわーって持ってく曲が、好き。それまでゆれるリズムなのに、いきなりぐわーって上がってく感じ。うまい。気持ちいい。1st「創」も是非聴いてみて。どっちも捨て曲なしの意欲作。ってか、このバンド、よくない曲ないよ!!!

RIP SLYME 「TIME TO GO」

1年ぶり。RIPニューアルバム。新曲出るたんびに新しい「楽しさ」を提供してくれるRIP。さて今回は…???
お、とうとうSUさん、作曲家デビュー??「ベイシックライン」「TIME TO GO」。どっちもいい曲だと思うぞ。以前みたいに、必殺のパーティーチューンとか韻の踏み方がもう絶妙に美しくて感動!!な曲はないけれど、ノリおリズムもテンポも超自由!!「what's up」とか「ベイシックライン」とか「ミニッツメイド」とかね。
PES作のおセンチソングもいいよ(「虹」)。♪雨上がり 昼下がり 晴れた空に 虹がかり 上昇(気流) 上々(気分) もう当分はふらなそう♪RIPのいいとこのひとつは、こういう人間のダークサイドを拾い上げて、「気分 上々」にしてくれるところ。雨上がりの空を見上げてなんだか気持ちがすっきりするような、そんな感覚に似た曲がちらほらあるんですね。生きてるって、つらかったり、めんどくさかったり、憂鬱だったり。でも、あの人の笑顔を見たら元気になったり救われたり。そんなことの繰り返しなんだよな。って思ったり。喪失感とか、虚無感も、いつか昇華されるように…。
「TIME TO GO」もね。もう次へ進もう。って曲。「停滞」って一番怖いのかもね。現状を受け止めつつも、次へ。常に新しいことを探し続けるRIPらしくてたくましい。これ聴いてる限りでは、次も期待できるな。

GOING UNDER GROUND 「ホーム」

ゴーイングの音楽に、センチメンタリズムとかノスタルジーを感じることは多いと思うんだけど、なかなかどうして、それだけじゃあないなあ。って思う。かよわいながら、エナジー振り絞っている感じ、みっともない姿をさらしても、それでもちょっとだけ前を向いて生きていく感じが、実はたくましくもあり、力強くもあり。夕暮れ時や一日の終わりに、「ほーっ」っとタメイキをつきながら、明日また半歩でも、1/4歩でも前に進めるように、このアルバムを聴くのもいいかも。

Hermann H. & The Pacemakers 「PINKY’S ROCK SHOW」

派手さはないけど、良品・佳作揃い。「ROCK SHOW」として楽しめます。ヘルマンて、何がいいんだろう?言葉にするのが難しい。ってことで、是非御一聴。あんまり、はずれくじないと思う。

中村 一義 「100S」

おざけんがすごいな〜と思うのは、1曲1曲の中に「生きる」っていうこと、その喜び・悲しみ・期待・不安・・・つまり、「人」ってもののすべてがぎゅっとつまっていて(まさに「LIFE」)、なんかおしゃれな「うきうきソング」かと思いきや、実は血なまぐさい、人間の普遍的な物語を歌っているところ。中村一義にもそれに通じるものを感じていて、「そこに愛が待つゆえに。僕は行く。僕は死ぬように生きていたくはない。」なんて、人が生きていくっていう意味が、胸の中に広がって、力づよくなれるんです!!!って、そんなかたくるしいこと言わんでも、名盤です。『100式』になって、なんか楽しそうだし!!

PENPALS 「PLAY ROCKS」

ペンパ、すげー!!「PLAY ROCKS」って、大風呂敷広げたな〜?!と思ったけど、なんの、なんの。あのね、聴いた瞬間からテンションあがるあがる。基本的に英詩って苦手だし、洋楽も全然聴かないんだけど、リズムとノリでもってかれる!!!電車とかで聴いてると、黙っていられない。ライブはね、必見!!!!!ライブ初体験の人とか、入門編でペンパ行くといーと思うよ。なにげ、フェスのベストアクトでした。私の中で。

GRPEVINE 「another sky」

グレイプバインは、以前に「here」っていうアルバムを出したこともあるように、今いる場所を受け止めて、受け入れて、そこからいろんなものを見てきたバンドだと思う。だから、初めて新しいアルバムのタイトルを聞いたとき、違和感があった。「もうひとつの空」をバインは見上げるのか??見上げる空はひとつじゃないのか??今ここにある現実には、日常には、目をつぶるのか〜??って。でも、安心。やっぱ皮肉だったのね。

「それでも」「ふたり」「ナツノヒカリ」といった、シチュエーション&情景が目に浮かぶわソングあり、歌詞、意味わかんない、リズムでぐいぐい引っ張られるソングありのヴァラエティ豊かなアルバム。けど、そのどれもが「やっぱバイン」な曲。亀ちゃん天才!田中君、物知り!ああ、リダ…。といろんな聴き方が…。

MR.CHILDREN 「It's a wonderful world」

かわってこちらは、割と「もうひとつの空」を見上げがちな、ミスチル。「innocent world」という曲が、あれだけのエネルギーを持っているのは、桜井さんがパーソナルな世界を描きながら、その世界観が多くの人とリンクしたからだと思う。それから、桜井さんは、よりパーソナルな「深海」に潜っていってしまって…活動休止後のアルバムには、毎回期待してたんだけど、やっぱまだひりひりしたかんじがしてたんだよね。桜井さんの苦悩が曲の向こうに見えてしまって…でもね、ベストアルバム出して、ポップザウルスツアーやったあたりから、ミスチル、風通し良くない???って思って。「優しい歌」「ユースフルデイズ」「君が好き」でもう心配いらん!!!と思った。また、ミスチルの歌が多くの人の心に種を植えて、それぞれの人の中で大きく育っていくんだろうなって。その種は、それこそ、百人百様の育ち方をして、大切に膨らんでいくんだろうなって。このアルバムもいいのよね。このくだらない世の中を嘆きながら、でも、自分の周りにある大切なものに光を当てて、力強く足を踏み出す姿!!!「蘇生」したミスチル!!また、楽しみがふえたな〜。

HY 「Departure」

沖縄。10代。癒しと、きらめきと、同時代性を併せ持つ、器の大きなバンドだなあと。いろんなジャンルの音楽を吸収して、大海に小さな船で漕ぎ出していくようなダイナミズムを感じる。土地柄か、風の吹き抜けるような、星の瞬くような。波の打ち寄せるような、そんなさわやかな曲あり、時代を歴史を塗り替えて、引っ張って前に進んでいくような、力強い曲あり。百人いたら、百人の考え方があって、痛みがあって…でもそのすべてを受け止めて、掬い上げて、ともに歩んでいこうとする、その、土壌の豊かさは、もう、ほんとすばらしい!!トリプルヴォーカルのからみも美しいし。セカンドアルバムも出るみたいだし。是非!!

KICK THE CAN CREW 「MAGIC NUMBER」

KTCC=キャラ立ち3本マイクらしい…。まあ、それぞれに個性的なMCで、もともとの音楽の趣味も違ったりで、愉快な集団てことになってんだろうけど、RIP聴いちゃうとね。彼らは、かなりのキャラ立ちな上に、4本マイクなんで。キックがすごいな〜と思うのは、単語単位で踏む韻はもうあったりまえで、文節ごと、センテンスごとに、3人3様に韻を踏んでいるところ。それは、もう芸術的ですらあります。あとね、人が生きていくってことに対するメッセージングもしっかりしている曲が多い気がする…。パーティーチューンは必殺!!どんなモチーフでもお祭りにもって行くところが、すごいです。

PENPALS 「THERE'S NO GRATEST HITS」

ライブでおなじみのあんな曲やこんな曲、もりだくさん!!これ一枚でしばらく楽しい気分で過ごせます。

HY 「Street Story」

ついに出ました〜!!HYセカンド!!もうなんだかけっこうすごいことになってますね・・・。ファースト同様、沖縄らしい広い海のような、青い空のような、限りない外の世界につながっているような、さわやかで穏やかでピュアな曲がたっくさんつまっています。ファーストよりはHIPHOP色薄いかもしれませんが、その代わり、ロックとポップスが耳に心地よいんです〜!!あと、愛!!いとおしいものに対する想いがひねりなく伝わってきていいっすね。いわゆる「ミクスチュア」バンドって今たくさんいると思うんだけど、彼らはその要素も含みつつ、ほんっとにいろんな音楽を吸収していて、そういう意味でも「ミクスチュア」だなあ〜と。あと、いーずの唄、素敵だわ〜。

 

 

55 STREET / 0574 W.S.R / STRAWBERRY7 / アレコレネット / モノショップ / ミツケルドット